-σ^2 / 2 の真実に迫る – その2

発生する金利の利率が乱数だったらどうなるか?さすがに何の仮定もないと話が進まないので、

金利(年率)は、平均m、標準偏差\sigmaの正規乱数

という場合を論じましょう。


i回目の利払金利(年率)は、

r_i= {\sigma}z_i+m   —(4)

と与えられます(ここで z_iは標準正規乱数)。


式(4)は年率なので、半期分、つまり年2回の利払いがある場合の各回の利率は、

r_i(2)=\frac{\sigma}{\sqrt{2}}{\cdot}{z_i}+\frac{m}{2}

と与えられます。一般に年N回の利払いがある場合の各回の利率は、

r_i(N)=\frac{\sigma}{\sqrt{N}}{\cdot}{z_i}+\frac{m}{N}

となります。


単利の場合

V(T)=V_0+\sum_{i=1}^{TN}r_i(N)=V_0\cdot\left[1+\sum_{i=1}^{TN}\left(\frac{\sigma}{\sqrt{N}}{\cdot}{z_i}+\frac{m}{N}\right)\right]

となります。

ここで「正規乱数の和は正規乱数になる」という、もはや犬でも知っている事実から、 V(T)も正規乱数であることが分かります。

分布の特徴は以下の通り。

  • 平均:

    E[V(T)]=V_0+\sum_{i}^{TN}\frac{m}{N}=V_0+mT
  • 分散:

    V[V(T)]=\frac{\sigma^2}{N}\cdot\sum_{i=1}^{TN}V[z_i]=\sigma^2 T

以上より、

V(T){\sim}{N}(V_0+mT,\sigma^2T)

という分布になることが判明しました。


金利が毎回変わったとしても、この式中に年間利払回数Nが含まれないので、連続極限でも同一の結果(分布)になることがすぐに分かります。



さて次は複利の場合ですが、、、これがチトややこしいので、その3に続く


他のNewsも見てみる

Comments are closed.